四国でお遍路巡りをしよう!服装や参拝方法を紹介

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四国には魅力がたくさんありますが、お遍路巡りを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。近年では、外国人観光客に大人気となり、世界遺産登録に向けた運動が行われています。そんなお遍路巡りですが、検討している方の中には以下のような悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。

  • お遍路ってそもそもなんでするの?
  • 服装や準備すべきものがわからない
  • 札所はどうやってまわればいいの?
  • 参拝手順がわからない

本記事では悩みを解決する情報を紹介しています。お遍路巡りを考えている方は、本記事を参考に万全な準備をしてお遍路をしましょう。

お遍路巡りとは?意味や目的、移動手段を紹介

境内

まず紹介するのは、お遍路についてです。お遍路をする前に正しい知識を身に付けましょう。以下の項目に沿って紹介します。

  • お遍路の意味
  • お遍路の目的
  • お遍路の移動手段

それでは順に紹介していきます。

お遍路の意味

お遍路とは、讃岐(現香川県)で生まれた弘法大師・空海ゆかりの四国八十八カ所霊場をめぐることです。弘法大師・空海とは、真言宗を開いた僧のことです。弘法大師の軌跡をたどると煩悩が取り除かれ、ご利益がもたらされると言い伝えられています。

お遍路の目的

お遍路の目的は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 故人の冥福を祈り巡礼する、追善供養
  • 生前に自分の死後の冥福を祈る、予習供養
  • 自己を見つめる、癒し、リフレッシュなど

お遍路はすべての人に平等に与えられた路のため、年齢は関係なく、目的も人それぞれです。お寺さんの話を聞くためでも、観光のためでも、人それぞれ違って良いとされています。

お遍路の移動手段

お遍路と言えば、昔の修行僧のように徒歩で巡礼する印象を受ける人が多いでしょう。しかし、お遍路の移動手段には厳密な決まりはありません。レンタサイクルや、電車、バス、レンタカーを利用する方法などがあります。タクシーや大型観光バスのツアーも高齢者を中心に利用されています。お遍路の巡り方としては「区切り打ち」が一般的で、八十八カ所を数回に分けて巡ります。

お遍路巡りの服装の基本となる3点を紹介

お遍路巡りの服装は自由ですが、正装のような服装もあります。今回はお遍路巡りの服装の基本となる以下の3点を紹介します。

  • 白衣
  • 輪袈裟
  • 金剛杖

着用する際はそれぞれの意味を知っておくと、よりお遍路に対する理解が深まるでしょう。それでは順に紹介していきます。

白衣

昔は険しい遍路道の道中で命を落とすお遍路さんが多数いました。白衣には道中でいつなくなってもいいようにという「死装束」の意味がありました。本格的なお遍路をする場合は、白衣のなかも含めて白装束を着ますが、現在では洋服の上から白衣を着る方が多い傾向があります。自身が着用する白衣とは別に、御朱印をいただき、亡くなった際に棺桶に入れてもらうための白衣を用意する方もいます。

輪袈裟

輪袈裟とは、お経を唱える時に着る最低限の法衣であり、袈裟を簡略化したものです。もともとお遍路をめぐる際には法衣を着るものとされていたので、参拝の作法として身に付けるべきものと言われています。現在のお遍路さんのなかにも、白衣は着用しないけれど、輪袈裟だけは着用するという方が多い傾向があります。お参りの道中での食事やトイレの時には外すようにしましょう。

金剛杖

杖というと歩きにくいところの手助けの役割を持つ印象がありますが、お遍路には実用的な意味とは別の意味があります。金剛杖は、「お大師様の化身」と言われており、杖をもってお遍路をすることは、弘法大師と共にお遍路をする、という意味合いがあります。金剛杖のカバーを外すと卒塔婆のような形をしています。昔は険しい道中で亡くなる方が多かったため、道中で亡くなった時のために金剛杖をお墓として持ち歩いていたようです。

お遍路をめぐる順番とは?

お遍路の巡り方にはルールはなく、始まりや終わりがどこであっても良いとされていますが、札所の番号の順番で巡るのが一般的な巡礼方法として知られています。巡り方には以下の2種類があります。

  • 順打ち
  • 逆打ち

そのほかにも巡り方があるため、合わせて紹介します。それでは順にみていきましょう。

順打ち

四国のお遍路は、1番から88番まで番号が決まっています。番号通りに巡ることを「順打ち」といいます。徳島にある1番札所から始まり、香川にある88番札所大窪寺まで巡ります。昔は四国に来る交通手段が船しかなく、鳴門に到着した巡礼者の多くが順打ちでお遍路をめぐりました。現在でも順打ちがメジャーとなっています。1番から88番までまわり切ることを「通し打ち」といいます。

逆打ち

88番からスタートして1番へと巡るのが「逆打ち」です。逆打ちは順打ちの3倍のご利益があるとされています。うるう年は逆打ちの年とされており、逆打ちで巡る人が増加します。弘法大師は今でも88カ所を順打ちで巡っているという伝説があり、逆打ちで回ると必ずどこかで弘法大師とすれ違うことができる、と言い伝えられています。

その他の巡り方

通し打ちのほかに、88カ所を分けて巡る「区切り打ち」があります。区切り方は国(県)ごとに区切ったり、キリの良い番号で区切るなど、様々な方法があります。

お遍路は基本的に巡り方は自由であり、すべてのお寺を巡らなければいけないということでもありません。自分のペースでお遍路をすることが良いでしょう。

札所での参拝手順とは?正しく参拝しよう

山門

最後に札所での参拝手順について紹介します。お遍路を考えている方は参考にしてください。それでは順に紹介します。

山門(仁王門)にて

山門で合掌、一礼して境内に入ります。門の内側(境内)は仏様の聖域です。仏様にこれからお参りするという思いで行いましょう。

身を清める

手洗い所で身を清めます。手を洗い、口をすすぐことは、身体の外と内を清める行為です。左手→右手の順に水をかけ、左手で受けた水で口をすすぎ、残りの水を柄杓の柄に流してすすぎます。

鐘打ち

鐘は参拝前の合図ともされるので、鐘が自由につけるところでは、お参りの前に1度だけつくとよいでしょう。参拝前につき忘れたとしても帰る際につかないとされます。理由としては、「出る鐘」が「出金」ともとれるのでつかない、死者を送る鐘を「でがね」と呼ぶからといわれています。鐘はただ大きい音を出せばよいというものではなく、その音色を仏様に届けるものです。むやみに撞木を鐘に大きく撞くのではなく、無理のない範囲で鐘をつき、音色を奏で、撞き終わると撞木が鐘に何度も当たらないように紐を落ち着けます。

本堂(金堂)へ

お参り本堂へ向かい献灯、献香し、納札を納め、鐘を打ち、お賽銭を納め、礼拝し、読経、写経等でお経を奉納します。写経は札所または菩提寺にて指導を受けるのが良いでしょう。納札はお堂の納札箱に、写経は写経箱に納めます。写経灯明料は、お賽銭とともに各お堂の賽銭箱に納めましょう。

大師堂へお参り

本堂と同じ手順で献灯、献香し、納札を納め、鐘を打ち、お賽銭を納め、礼拝し、読経、写経等でお経を奉納します。大師堂での勤行はお大師様がご本尊となりますので、勤行次第から「ご本尊真言」を省きます。本堂と大師のお参りが終わって時間に余裕があり、他のお堂があれば随意にお参りします。

納経所にて

参拝が終われば、納経所でお納経(御朱印)をもらいます。御朱印の際には、ご本尊が描かれた御影(おみえ)ももらい、保存帳にしまいます。原則として、講堂の読経後に納経所で御朱印をもらいます。納経時間が終了直前の場合は、順序が逆になりますが、札所にその理由を告げ、読経前に御朱印を受けられます。

山門(仁王門)にて

山門で合掌、一礼して境内を出ます。お参りしたことで仏様とご縁が結ばれた(結縁)ことを感謝する思いで行いましょう。

まとめ|準備や作法修得をしてからお遍路をしよう

山門

お遍路は目的、まわり方、服装は自由度が高く、挑戦しやすいといえます。しかし、最低限の服装を用意し、参拝手順を学んでからお遍路巡りをしましょう。正しい参拝をして、ご利益を受けましょう。

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