渡航前に知っておこう!イタリア旅行で気をつけるべきポイントとは

フィレンツェの街並み イタリア

卒業旅行シーズンになり、ヨーロッパ旅行を検討している方も多いのではないでしょうか。今回はイタリア旅行の際に気をつけるべきポイントを紹介します。イタリアは美しい街やおいしい食べ物が多いため、魅力的です。気をつけるべきポイントを把握して楽しいイタリア旅行にしましょう。

イタリアの治安と世界平和度指数ランキング

まずは紹介するのは、イタリアの治安などが日本や世界的にどのような評価をされているかです。以下の内容に沿って紹介します。

  • 外務省の安全情報
  • 犯罪データ
  • 世界平和度指数ランキング

それでは順に紹介します。

外務省の安全情報

2024年2月現在、外務省の海外安全ホームページでは危険情報は発表されていません。危険レベルは0であり、日本と同じです。危険レベルが低いといっても、日本と同じ気持ちで旅行しても大丈夫ということではありません。

近隣諸国から人々が自由に出入りしていると同時に、スリやひったくりなどの被害も多数報告されています。また、昨今のヨーロッパは常にテロのリスクを抱えています。過度に心配する必要はありませんが、ヨーロッパの治安は昨今不安定であることを覚えておきましょう。

犯罪データ

最新のイタリア内務省の統計(2021年8月〜2022年7月の1年間)による犯罪認知件数は約211万件であり、前年同期と比較すると約13%増加しています。スリやひったくりの件数も約20万件とかなり多い傾向があります。日本では考えられないほど軽犯罪が多発していることを念頭に置いて現地で行動するようにしましょう。

実際に日本人はイタリアに旅行する人が多いですが、被害に遭った経験を持つ人が多くいます。私自身も募金と称して、少々のお金をだまし取られたことがありました。イタリア旅行の際には気をつけましょう。

世界平和度指数ランキング

国際NGOの経済平和研究所(Institute for Economics and Peace)は23項目にわたって、世界163か国の「平和さ」を数値化し、世界平和度指数を算出しています。GLOBAL PEACE INDEX 2023の情報によると、日本は9位であるのに対し、イタリアは34位でした。自身の経験と必ずしも同じ印象ではありませんが、旅行の参考になると思うので、あくまで目安として利用してください。

イタリアの治安で知っておくべきポイント

次に紹介するのはイタリアの治安で知っておくべきポイントを紹介します。安心してイタリア旅行をするために、治安に関しての情報をチェックしておきましょう。以下の内容に沿って紹介します。

  • テロの可能性はとても低い
  • マフィアの脅威はほとんどない
  • イタリアで注意すべきは軽犯罪

それでは順に紹介します。

テロの可能性はとても低い

海外旅行に行く際は、訪問する国や地域でテロが起こる可能性も考慮しておくべきですが、イタリアにおいてはテロの可能性はとても低いです。「テロの発生につながる危険な思想を持っている」として逮捕されている人は数名いるようですが、実際にイタリア国内でテロが起きる可能性はほとんどありません。治安局がテロに対して警備を強化しているので、テロについては心配する必要はないでしょう。

マフィアの脅威はほとんどない

イタリアには、マフィアのイメージを持っている人もいるかもしれません。実際に、イタリア南部にはマフィアが存在しています。しかし、ほとんどの場合、マフィアが観光客を狙うことはありません。下手に治安の悪い場所や怪しいエリアに踏み込まない限りは、マフィアとかかわりを持つ心配はないでしょう。

イタリアで注意すべきは軽犯罪

イタリアで注意すべき犯罪は、スリや置き引きなどの軽犯罪です。軽犯罪はイタリア全土で多発しているので、イタリアに行く場合は細心の注意を払う必要があります。とくに、有名な観光スポットでは注意しましょう。

レジに並んでいるときや写真撮影時など、油断した際にバッグ内から貴重品が盗まれたり、急に財布を持っていかれたりする可能性があります。スリや置き引きは子どもや女性が行う場合もあるので、年齢や性別で判断せず、常に貴重品を離さずに持っておきましょう。

イタリア旅行で注意すべきポイント10選

次に紹介するのは、イタリア旅行の際に注意すべきポイントを10個です。ポイントを抑えることでイタリア旅行の質が上がるでしょう。10個のポイントは以下の通りです。

  • 盗難やスリ
  • 詐欺
  • お店の営業時間は要チェック
  • 服装を各季節に合わせた服装をする
  • 靴は歩きやすいものを選ぶ
  • 交通機関を利用する際は余裕を持って行動する
  • タクシーの料金は高額
  • レストランのチャージと有料の水
  • トイレ
  • 物乞い(ジプシー)

それでは順に紹介します。

盗難やスリ

イタリアでは盗難やスリに気をつける必要があります。なかでも、スリの被害が多発しており、とくに観光客がターゲットにされやすいので注意が必要です。観光スポットや地下鉄などの人が密集するスポットでの犯行が多発し、誰に狙われているのかわからないので、観光中は荷物から目を離さないようにしましょう。

犯行手口は巧妙なものが多く、様々です。会話の最中や身体への接触で気をそらしている間に貴重品を盗まれていることもあります。グループでの犯罪はもちろん、子どもによる犯罪も多発しているため、周囲にしっかりと目を向け、気を抜かないことが重要です。

置き引きやひったくりも多発しているため、観光中は荷物から目を離さないことはもちろん、車道側で荷物を持たないように心がけましょう。所持品は常に自分の目の届くところに置き、管理するようにしましょう。

詐欺

軽犯罪に関しては、詐欺にも注意が必要です。とくに、ギャンブル詐欺には気をつけましょう。東南アジアでは何十年も前に有名だった方法ですが、イタリアでは現在も行われている詐欺です。

屋外でギャンブルをしているグループや周辺に観客がいてギャンブルを見守っている集団を見かけたら絶対に近づかないようにしましょう。そのような集団は大体がギャンブル詐欺集団です。「一緒にギャンブルしよう!」や、周りの観客が「見に行けよ」と誘ってくる場合は全員がグルです。

また、私もフィレンツェで経験がありますが、麻薬撲滅運動のための署名を求められ、10ユーロほどの寄付を求められたりする詐欺もあるので、何か話しかけられて、少しでも怪しいと感じたらすぐに「No!」とはっきり断りましょう。

お店の営業時間は要チェック

お店によりますが、イタリアの商業施設の営業時間は日本とは異なるので注意が必要です。イタリアのお店には以下のような営業時間の特徴があります。

  • 日曜・祝日は休業する店が多い
  • 昼休みをとる店が多い(2~3時間程度)
  • 夏期・冬期に長期休暇をとる店もある
  • 19時前後で閉店する店が多い

日本では特になじみがない「昼休み」ですが、イタリアには「シエスタ」というスペイン発祥の昼休憩をする習慣があるため、特にランチの時間には気をつけましょう。シエスタはおおよそ13:00~16:00の間に休憩をとることが目安とされているため、お店の営業時間やシエスタの時間はしっかりと事前に確認しておくとよいでしょう。

服装を各季節に合わせた服装をする

日本と同様にイタリアにも四季があります。そのため、旅行する季節に合わせた服装を準備しましょう。各シーズンで気温も日本のように変わります。以下にイタリアの四季の時期と平均気温を紹介します。

春(4~5月)平均最高気温20~25℃平均最低気温7~11℃
夏(6~8月)平均最高気温26~31℃平均最低気温15~17℃
秋(9~11月)平均最高気温18~31℃平均最低気温8~17℃
冬(12~3月)平均最高気温5~10℃平均最低気温-2~10℃

靴は歩きやすいものを選ぶ

イタリアには石畳の道も多いので、歩きやすい靴を選ぶことをおすすめします。女性はおしゃれのためにピンヒールの靴などを履きたい気持ちがあると思いますが、観光の際に歩きづらいので注意しましょう。

どうしてもヒールのある靴で観光したい方はヒール部分が太いものや、厚底の靴などで行くと歩きやすいのでおすすめです。特にローマを観光したいと考えている人はアップダウンのある場所が多いことや階段も多いので、履きなれた歩きやすい靴で観光しましょう。

交通機関を利用する際は余裕を持って行動する

日本の交通機関を利用していると、電車やバスなどが時間通りに来るのが普通と考えがちですが、海外では普通ではありません。イタリアでは電車などは時間通りに来ることが少ないので、時間に余裕を持って行動するようにしましょう。

さらにイタリアの交通機関を利用する際に注意したいのはチケットへの打刻です。地下鉄には改札があるので打刻の心配をする必要がありませんが、バスやトラムといった交通機関を利用する際は打刻機にチケットを通すことを忘れないようにしましょう。

バスやトラムには車内に打刻機が置いてあるので、乗車時には打刻をしっかりとするようにしましょう。打刻をしていなかった場合や、そもそもチケットを持っていない場合は罰金を取られる場合があるので注意が必要です。

タクシーの料金は高額

基本的にイタリアのタクシー料金は日本より高い傾向があります。不当な金額を請求してくる「ぼったくりタクシー」もあるのでタクシーを利用する際は注意してください。基本的にローマなどではタクシー乗り場からタクシーに乗車することが一般的で、日本のような流しのタクシーや客引きをしているタクシーは危険なので利用しないようにしましょう。

正規の営業許可を得ているタクシーには以下のような特徴があります。

  • 車体が白
  • ドアに「タクシーの番号」が記載されている
  • 車体の屋根に「TAXI」の文字がある

上記の特徴に当てはまるタクシーなら安心して利用できます。タクシーはメーター制なので、メーターがしっかりと正常に動いているか確認するのも忘れないようにしてくださいね。タクシーに不安を感じる人は、UBERを利用するのもおすすめです。

レストランのチャージと有料の水

イタリアのレストランではひとりにつきチャージ料を支払う必要があります。チャージ料はレストランによって異なりますが、相場は1〜3ユーロといわれています。レシートで確認する際には「COPERTO」というチャージ料の記載を確認しましょう。チャージ料はチップとは異なるため、誤解しないようにしましょう。さらに日本とは違い、水は基本的には「有料」ということを頭に入れておきましょう。

トイレ

イタリアでは公共トイレの数が少ないです。日本のようにコンビニにトイレは基本的にありませんし、観光地にも設置されていることは少ないです。有料のトイレもありますが、故障していて使用できないこともあるので注意しましょう。

おもにバール(コーヒーや軽食を楽しむ店)、百貨店、駅、美術館などにトイレが設置されていることが多いので、トイレを見つけたら行っておくことをおすすめします。さらに日本ではありえないことですが、イタリアの公共トイレには便座がないトイレがあります。便座がないトイレの場合は中腰で用を足すのが基本なので覚えておきましょう。

日本のトイレを利用していると海外のトイレはとても汚く感じるでしょう。しかし、日本のトイレは世界的にもきれいすぎるだけなので、日本のトイレが普通と思わないようにしましょう。

物乞い(ジプシー)

ローマなどを観光する際に頭に入れておきたいのが「物乞い(ジプシー)」の存在です。ジプシーは教会やスーパーの前など様々な場所で物乞いを行っています。物乞いをされてもかわいそうだからと思わず、はっきりと断りましょう。

曖昧な返事をすると執拗に物乞いをされることがあるので、断る勇気も大事です。断って何か危害を与えてくるというわけではありませんが、安易な気持ちで関わるのは避けましょう。言語がわからない観光客はターゲットにされやすいので注意が必要です。

イタリアの主要都市を知っておこう

最後に紹介するのは、イタリアで観光客が訪れる主要都市についてです。訪問前に街の見どころを把握しておき、楽しい旅行にしましょう。紹介するのは以下の都市です。

  • ミラノ
  • ベネチア
  • フィレンツェ
  • ローマ
  • ナポリ

それでは順にみていきましょう。

ミラノ

ミラノはイタリア経済の中心であり、流行の発信地としても有名です。イタリアを代表する大企業の本拠地があり、ファッションや家具の見本市も開催されます。さらに万能の天才であるレオナルド・ダ・ヴィンチにもゆかりが深い街です。北イタリアらしい優雅と格式を感じる街並みは、多くの人々を魅了させます。

ミラノの見どころは以下の通りです。

  • ドゥオモ
  • ヴィットリオ・エマヌエレ2世のガレリア
  • サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(レオナルドダヴィンチ『最後の晩餐』を展示)
  • スフォルツェスコ城(ミケランジェロの最後の『ピエタ』が残っている)
  • ブレラ美術館

ミラノは街並みを見ているだけでも楽しい街なので、一生の思い出になるでしょう。

ベネチア

ベネチアはアドリア海の真珠と呼ばれる美しい街です。18世紀にナポレオンに占領されるまでのおよそ1000年、オリエント貿易と巧みな外交によって大いに繁栄しました。100を超える小島を400余りの橋によってつないだ世界でも随一の海の都として、ユネスコの世界遺産に認定されています。

ベネチアの見どころは以下の通りです。

  • サン・マルコ大聖堂
  • ドゥカーレ宮殿
  • リアルト橋

大運河とガラスの工芸品も魅力なので、美しい街を堪能しましょう。

フィレンツェ

フィレンツェは花の都と呼ばれ、優美さを感じる街並みが特徴です。14世紀に興ったルネサンス文化の中心として繁栄しました。レオナルドダヴィンチやミケランジェロを生んだルネサンスの街を支えたのは、強力な経済力です。商品たちの財力によって美術品が街中にあふれ、トスカーナ公園の当主となったメディチ家が建造した宮殿や教会も、花の都の名にふさわしい華やかさで佇んでいます。

フィレンツェの見どころは以下の通りです。

  • ドゥオモ
  • シニョーリア広場
  • ウフィツィ美術館
  • ピッティ宮殿
  • ヴェッキオ橋
  • ボボリ庭園

フィレンツェは歩けば文化財があるという芸術の都です。華やかな芸術を楽しみましょう。

ローマ

ローマはイタリア共和国の首都であり、古代の帝国時代には「世界の中心」と呼ばれ、2世紀の最盛期は100万人都市であったといわれています。遺構があちこちに残るローマは、キリスト教の大本山バチカン市国を擁し、1871年からイタリア王国の首都となりました。

ローマの見どころは以下の通りです。

  • コロッセオ
  • フォロ・ロマーノ
  • パラティーノの丘
  • トレヴィの泉

日本でも大人気のカルボナーラは、ローマを州都とするラツィオ州の郷土料理です。本場の料理と歴史散策を楽しみましょう。

ナポリ

ナポリは、「ナポリを見て死ね」ということわざが生まれるほど、風光明媚な街として知られています。ギリシア人、ローマ人、ノルマン人、フランス人、スペイン人の支配下に置かれた歴史を持つナポリは、さまざまな文化や人種の交差点でもありました。

イタリアを代表とするストリートフード「ピザ」はナポリが発祥です。2017年にはナポリのピザをつくる技術が、ユネスコの無形遺産に認定されています。ナポリはピザ以外にもリコッタチーズを使ったお菓子や海の幸を堪能できます。

ナポリの見どころは以下の通りです。

  • サン・カルロ劇場
  • 国立考古学博物館

ピザやジェラートを片手に美しい街を散策しましょう。

まとめ|対策をして楽しいイタリア旅行にしよう!

イタリアは盗難やスリなどの軽犯罪が多いため、旅行中は気を抜かないように注意しましょう。日本語で話しかけてきたりしてモノを売りつけてくるなどの経験を私もしているので、いやな場合ははっきりと「No!」といいましょう。イタリアは美しい街やおいしい食べ物がたくさんあるため、観光を満喫して楽しんでくださいね。

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