四国を旅するには車が必須だと思っていませんか?旅先でも運転は、車の免許を持っていない方はもちろん、運転が苦手な方にはハードルが高く、四国旅行を諦めてしまう方も多いでしょう。今回は車がなくても四国旅行を堪能できるモデルプランやフリーきっぷを紹介します。本記事を参考に、車なしで四国を満喫してくださいね。
四国旅行で利用できる公共交通機関
まずは四国旅行で利用できる公共交通機関を紹介します。紹介するのは、以下の通りです。
- 鉄道
- バス
- 路面電車
- レンタサイクル
それぞれの特徴を紹介しますので、四国旅行の参考にしてくださいね。
鉄道
四国では都市間移動ではJR四国が利用でき、徳島の除く3県では市内移動に私鉄が利用できます。四国で利用できる私鉄は以下の通りです。
- 高松琴平電気鉄道(香川)
香川県内に琴平線・長尾線・志度線の3線、営業キロ60キロの鉄路を保有しています。非接触ICカード乗車券も利用できるため、旅行者も安心して利用できます。
- 伊予鉄道(愛媛・松山市近郊)
1887年創立の伊予鉄道は、国内で2番目に古い民営鉄道です。市内電車と郊外電車があり、市内電車(路面電車)の運賃は180円均一です。松山城を囲む環状線に加えて、市内有数の観光地である道後温泉にアクセスできます。沿線には高校や大学が多く、朝夕は通勤通学の利用が多い傾向があります。
- とさでん交通(高知市近郊)
土佐の高知を走る路面電車であり、1904年開業のため100年以上の歴史があります。桟橋線、伊野線、後免線の3線合計で22.4kmの路線があります。高知駅やはりまや橋などにアクセスできるほか、高知郊外の御免や伊野までアクセスできます。
- 土佐くろしお鉄道(高知)
土佐くろしお鉄道は高知県東部の御免〜奈半利間を走るごめん・なはり線と、西部の窪川〜宿毛線を走る中村・宿毛線があります。足摺岬や室戸岬などの観光地と高知市内、高松、岡山を結ぶ役割を担っています。
四国旅行の際は、私鉄を活用するとより多くの観光地を巡れます。各交通機関でフリー乗車券などを販売している場合があるため、事前にチェックしてみましょう。
バス
四国は高速道路網が発達しているため、都市間バスが数多く運行されています。市内観光の際にも路線バスを利用できます。なかでも注目は阿佐海岸鉄道が運行するDMVです。道路とレールの両方を走行可能な新しい形態の交通機関であり、世界で初めて徳島県海陽町と高知県東洋町をつなぐ区間で運行を開始しました。土日祝日には室戸方面への路線が運行されるため、観光利用にも便利です。
フェリー
四国のなかでもとくに香川県、愛媛県では、魅力的な離島が多く、近年人気を集めています。高松港や今治港からは離島へ向かう航路が運行されているため、離島めぐりを考えている際は利用してみましょう。主な航路は以下の通りです。
- 小豆島フェリー(高松~土庄)
- ジャンボフェリー(高松~坂手~神戸)
- 雌雄島海運(高松~男木)
- 大三島ブルーライン(今治~大三島)
四国の離島は、アート作品が展示されている場所や、猫などの動物と触れ合える場所が多いため、魅力がいっぱいです。フェリーを利用して少し違った四国旅行をしてみるのもおすすめです。
レンタサイクル
四国の各都市内での観光には小回りが利くレンタサイクルも活用できます。四国の都市部はアップダウンが少なくサイクリングに適しています。四国の各都市で利用できる主なレンタサイクルを紹介しますので、四国旅行の参考にしてください。
- 高松市レンタサイクル(香川県高松市)
スマートフォンの専用アプリで事前登録をしたのちに利用できます。キャッシュレス決済にも対応しており、旅行者でも安心して利用できます。詳しい利用方法はこちらをご覧ください。
- フラワーさいくる(愛媛県松山市)
電動アシスト付き自転車をレンタルできるため、快適なサイクリングが楽しめます。レンタル場所は観光の中心地である松山城近くの一番町です。伊予鉄市内線の勝山町電停すぐのため、アクセスも抜群です。予約受付を行っていないため、先着順であることや2日以上連続での貸出はできない点に注意して利用しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
- 中央レンタサイクルターミナル(愛媛県今治市)
しまなみ海道をサイクリングするための拠点となる場所です。クロスバイクやシティサイクル、電動アシスト付き自転車など多種多様の自転車をレンタルできます。有料でコインロッカーやシャワールームが利用できるため、観光でも安心して利用できます。詳しくはこちらをご覧ください。
四国旅行で車がなくても行ける観光スポット
続いては、四国旅行で車がなくても行ける観光スポットを紹介します。車なしでの四国旅行でも、四国を代表する観光地にアクセスできます。また、観光列車を利用して四国旅行を楽しむ方法があります。紹介する観光地・観光列車は以下の通りです。
- 道後温泉と坊ちゃん列車
- しまなみ海道
- 下灘駅
- 小豆島
- 直島
- 金刀比羅宮
- 高知城
- ひろめ市場
- 四国まんなか千年ものがたり
- 祖谷のかずら橋
それでは詳しく見ていきましょう。
道後温泉と坊ちゃん列車(愛媛県)
道後温泉本館は「千と千尋の神隠し」のモデルといわれる風情のある造りが魅力的な外観と、実際に建物内部の温泉に入浴可能な点が評価されています。付近には温泉旅館がたくさんあるほか、商店街では愛媛県を代表する「今治タオル」や「みかん」などのお土産店が立ち並ぶ商店街があり、観光の拠点となっています。
松山市内には道後温泉駅と松山市駅までを結ぶ「坊っちゃん列車」が走っています。坊っちゃん列車は明治時代に走っていた蒸気機関車をモデルとしています。松山市駅から道後温泉までを観光気分を味わいながら移動できるのが魅力的です。松山市内は坊っちゃん列車をはじめ、路面電車の路線網があるため、車がなくても観光スポットにも容易にアクセスできます。
しまなみ海道(愛媛県)
しまなみ海道は、愛媛県今治市と広島県尾道市を結んでおり、途中に大島、伯方島、大三島、生口島、因島、向島があります。それぞれ個性がある島のため、観光に最適です。温暖な気候と瀬戸内海の絶景、島の空気を感じられるしまなみ海道はサイクリストにとって憧れの地であり、日本有数のサイクリングスポットとなっています。観光スポットとしては、真っ白な大理石がギリシャのようだと口コミで広がった生口島の「耕三寺」や瀬戸内海の島々を一望できる大島の「亀老山展望公園」などがおすすめです。
下灘駅(愛媛県)
下灘駅は以前は日本一海に近い駅として「青春18きっぷ」のポスターとして使われた駅であるほか、ロケ地として使われることがある写真映えする絶景スポットです。目の前には真っ青で穏やかな瀬戸内海が広がっており、訪れる人々を癒してくれます。瀬戸内海に沈む夕陽が哀愁漂っていて、夕陽の時間帯もおすすめです。無人駅なのですが、SNSなどを通して人気が徐々に広がり、今ではたくさんの観光客やカメラ好きの人たちが集まる駅となっています。駅前にはコーヒースタンドがあり、コーヒーを飲みながら絶景を眺められます。
小豆島(香川県)
小豆島は瀬戸内海に浮かぶ島であり、温暖な気候を利用したオリーブや素麵が有名なほか、観光スポットもたくさんある人気の観光地です。一番人気のある観光地は、干潮の時だけ道が現れる「エンジェルロード」です。恋人の聖地と言われており、周囲の海は透明度が高く、小豆島観光の目玉となっています。
白い風車がインスタ映えすると話題の「小豆島オリーブ公園」や、日本三大渓谷美といわれ、四国を代表する紅葉スポットの「寒霞渓」など、魅力がいっぱいです。小豆島は大きい島のため、一周まわるためにはレンタカーなどが必要となりますが、主な観光地を巡れる路線バスや予約制の観光バスがあるため、車がなくても観光できます。
直島(香川県)
瀬戸内海に浮かぶ直島はレンタサイクルで一周できるほどの小さな島ですが、近年は島の至る所にアート作品が点在して「アートな島」として人気の観光地となっています。島内の観光にはレンタサイクルやレンタバイク、路線バスが利用できるため、車がなくても大丈夫です。草間彌生さんの作品である「南瓜」や巨大なモニュメントで中にも入れる直島パヴィリオン、「家プロジェクト」と呼ばれる家を改装してアート空間にした作品など島中がアート作品に囲まれており、どこに行っても写真映えします。
金刀比羅宮(香川県)
金刀比羅宮は「さぬきこんぴらさん」と呼ばれ、全国の金刀比羅神社の総本宮であり、全国から多くの参拝者が訪れる大社です。古くから商売繁盛、五穀豊穣、海上交通など様々なご利益があるとされていましたが、庶民が旅行を禁止されていた江戸時代には憧れの地とされており、代わりに犬をお参りに行かせる人もいたようです。
参道入り口から大門まで365段、そこから本宮まで785段と石段が続くため、お参りはかなりハードですが、登り切った後は達成感があります。琴平駅からこんぴらさんまでの道のりには足湯カフェ雑貨屋さん、香川名物のしょうゆソフトクリームや「おいり」を散りばめた「おいりソフトクリーム」を販売する店が立ち並んでいて楽しめますよ。
高知城(高知県)
高知城は現存する12か所の天守閣のうちのひとつであり、日本で唯一本丸が完全に残っているお城です。本丸は第二次世界大戦で焼け落ちず、藩政時代そのままの姿が見られます。天守閣をはじめとした15の建造物が国の重要文化財に指定されていて、優美な佇まいを楽しめますよ。夜にはライトアップされるので、その姿も素敵です。
ひろめ市場(高知県)
高知城からほど近いひろめ市場は、巨大な屋台村のようなもので、飲食店約40店舗、物産店約20店舗が軒を連ねています。高知名物の「カツオのたたき」や「クジラ料理」、「餃子」などが味わえるほか、お酒が昼間から飲めます。フードコートのようにいろいろな店で購入して席を見つけて食べるスタイルなのですが、たくさんの観光客で賑わっています。新鮮な高知名物を食べながらお酒を飲みたい方は、ひろめ市場に立ち寄ってみましょう。
四国まんなか千年ものがたり(香川県・徳島県)
JR四国が運行している「四国まんなか千年ものがたり」は、四国の食材を使用したおいしい料理を味わいながら、自然豊かな四国の景観を楽しめる観光列車です。香川県の多度津駅から徳島県の大歩危駅を結んでおり、吉野川や美しい渓谷美が楽しめる大歩危小歩危など、四国らしい風景を眺められます。列車内では、こだわりのある四国の食材をふんだんに使用した食事を楽しめるほか、普段の鉄道旅とは違った贅沢な時間を過ごせますよ。
祖谷のかずら橋(徳島県)
緑と透明度の高い川に囲まれた祖谷地方は「秘境」と呼ぶにふさわしい田舎風景あふれるおすすめの観光地です。なかでも見所は、日本三大奇矯のひとつである「祖谷のかずら橋」です。かずらという植物を編んで作られた橋は足元の幅が広くて渡るのにもスリル満点です。
夏には涼しさを感じさせてくれる緑、秋には黄色や赤に色づいた紅葉、冬には幻想的な雪景色など四季折々の美しさを見られます。池田バスターミナルや大歩危駅からバスが出ているため、車がなくてもアクセス可能です。
公共交通機関を利用した四国一周旅行モデルプラン
いよいよ公共交通機関を利用した四国一周旅行モデルプランを紹介します。実際に、車なしでどのようなプランを組めるのか、参考にしてくださいね。日程は4日間で、四国全県を巡るプランになっています。鉄道の移動には3日間使用できる「四国フリーきっぷ」を2日目から利用します。それでは1日目から順にみていきましょう。
1日目:徳島
- 徳島阿波踊り空港到着→(空港バス)→鳴門駅
まずは徳島阿波踊り空港に到着です。到着後は空港バスで鳴門駅に向かいます。
- 鳴門駅→(路線バス)→観潮船に乗船
鳴門駅から観潮船乗り場までは30分〜1時間に1本の間隔でバスが出ています。観潮船は、鳴門海峡にできるうずしおを間近に観測できる船です。近くから見るうずしおは迫力がありますよ。うずしおは見られる時期や時間帯があるため、事前に調べておくことをおすすめします。詳しくはこちらをご覧ください。
- 観潮船→(路線バス)→鳴門駅→(JR)→徳島駅
うずしおを観潮船から見たら、徳島駅に移動して名物の徳島ラーメンを食べましょう。駅前に徳島ラーメンの店があるため、徒歩で移動可能です。1日目は徳島駅周辺にて宿泊をしましょう。駅周辺には徳島城のほか、四国三大祭りの一つである「阿波踊り」が開催される会場があります。毎年8月に開催されるため、時期が合えば見に行くことをおすすめします。
2日目:徳島→香川→愛媛
2日目より「四国フリーきっぷ」を使用します。
- 徳島駅→(JR特急)→高松駅
まずは徳島駅から高松駅まで特急列車で移動します。所要時間は約1時間です。高松駅に到着したら、名物の讃岐うどんを食べましょう。高松駅ビル内に店舗があるほか、駅周辺にたくさん店舗があります。高松駅周辺には高松城跡があり、月見櫓は重要文化財に指定されています。
少し足を延ばして市内観光をしたい方におすすめなのは、「ペロタクシー」です。電気自転車を使用したタクシーで、後部座席に乗って目的地まで送り届けてくれます。ほかにもレンタサイクルなどを利用して、うどん巡りや栗林公園などを巡るのもおすすめですよ。
- 高松駅→(JR特急)→松山駅
高松観光を終えたら、松山駅まで特急列車で移動します。所要時間は約2時間半のため、疲れをいやすために仮眠をとるのがいいでしょう。進行方向右側には瀬戸内海が広がるため、右側に座るのがおすすめですよ。
- 松山駅→(伊予鉄道市内線)→道後温泉駅
松山駅から伊予鉄道市内線(路面電車)で道後温泉まで移動しましょう。到着したら道後温泉でゆっくりして旅の疲れをいやしてくださいね。宿泊は道後温泉周辺や松山市駅周辺がおすすめですよ。
3日目:愛媛→高知
- 道後温泉駅・松山市駅→(伊予鉄道市内線)→松山駅→(JR特急)→宇和島駅
まずは伊予鉄道市内線で松山駅まで向かいましょう。松山駅からは特急列車を使って宇和島まで向かいます。土日祝日には、特急列車とは異なるルートで西へ向かう観光列車が運転されるため、日程が合えば利用を検討しましょう。観光列車では下灘駅にも停車します。
宇和島では、某県知事の「貧乏くさい」発言で有名になった「じゃこ天」が味わえるほか、鯛めしなどのグルメを味わえますよ。
- 宇和島駅→(JR)→窪川駅
宇和島駅からは普通列車で高知方面へ向かいます。この路線は四万十川沿いを走行しており、沈下橋などの絶景スポットがあります。途中下車をして、四万十川の大自然を堪能するのもおすすめですよ。本数が少ないので、途中下車をする際は注意しましょう。窪川駅ではウナギを食べるのがおすすめです。ウナギの脂のしつこさがなく、さっぱりとした味わいなのが特徴的です。
- 窪川駅→(JR)→須崎駅
ウナギを味わった後は須崎に移動します。須崎市はご当地キャラクターであるしんじょう君が有名です。宿泊は須崎や吾桑の温泉地を利用しましょう。
4日目:高知
- 須崎駅→(JR特急)→高知駅
朝は須崎発祥であり、高知県名物となっている「ぼうしパン」を味わいましょう。その名の通り帽子の形をしており、しんじょう君の頭にもその姿が確認できます。須崎から高知へは特急列車で移動します。所要時間は約50分です。高知市内では、高知城やひろめ市場、坂本龍馬像を見られる桂浜をめぐるのがおすすめです。とさでん(路面電車)やバスを利用することで、観光地を効率よくまわれますよ。
- 高知駅→(空港バス)→高知空港
高知駅からはバスで高知空港に向かいましょう。ひろめ市場でお酒を飲む際は、酔っぱらって乗り遅れたりしないように注意しましょう。
四国一周旅行には「四国フリーきっぷ」がおすすめ!
四国一周旅行には、「四国フリーきっぷ」がおすすめです。JR四国全線や一部のJR四国バス、土佐くろしお鉄道を利用できます。おすすめポイントは以下の4点です。
- おすすめポイント①:特急列車(自由席)も乗車できる
- おすすめポイント②:昼間からお酒が飲める
- おすすめポイント③:景色や会話をゆっくり楽しめる
- おすすめポイント④:車の運転が苦手な人でも安心
順に紹介していきます。「四国フリーきっぷ」については、こちらをご覧ください。
おすすめポイント①:特急列車(自由席)も乗車できる
JR四国の普通列車や快速列車のほか、在来線特急自由席も利用できます。特急列車を利用すると所要時間を大幅に短縮できるため、四国一周旅行の強い味方となるでしょう。
おすすめポイント②:昼間からお酒が飲める
鉄道旅の魅力は、移動中にお酒を飲めることです。地域色豊かで各地の食文化にマッチしたお酒が数多くあります。多彩な郷土料理と景色をつまみに呑み鉄が楽しめますよ。
おすすめポイント③:景色や会話をゆっくり楽しめる
車移動とは違い、運転手に気を遣わずに、車窓からの景色や会話、食事などをみんなでゆったりと寛ぎながら楽しめます。瀬戸内海沿いや川沿い、渓谷沿いを進む路線などがあるため、車窓を眺めながら四国の自然を満喫しましょう。
おすすめポイント④:車の運転が苦手な人でも安心
車の運転が苦手、初めての場所での運転は道がわからないから不安、という方には鉄道旅がおすすめです。目的地までゆったりと座ったまま時刻表通りに移動できます。
まとめ|JR四国フリーきっぷを利用して快適な四国旅行を!
四国は車がなくても旅ができる場所です。多くの観光地にバスや鉄道でアクセスできるため、車がなくても安心です。四国一周旅行には、四国フリーきっぷがおすすめです。車窓を楽しみながら四国を移動しましょう。是非魅力が詰まった四国に来てみてくださいね。
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